第67話 土と水の輸入
東大沖助教授らの試算によると、農畜産物輸入に伴う仮想水の輸入は640億km3/年 となっており、わが国年間灌漑用水使用量590億m3とほぼ同等で、ダム総貯水量200億m3の 3倍にも達している。
仮想土の輸入は、耕地面積を480万haとして、自給率40%であることから、国内の耕地の1.5倍に当たる720万haの土地を輸入していることになる。なお、沖助教授他の農畜産物輸入の土地面積換算では、仮想水が1129 億m3の場合、土地面積換算は1693万haとなっており、640億m3で単純に置き換えると960万haになる。
2002年春、中国大陸からの黄砂が北海道を覆った。重化学工業の進展に伴って、中国での砂漠化が深刻化しているのである。中国の経済発展の裏には公害による重金属の汚染が指摘されている。また、数年前、中国からの輸入野菜が農薬漬けの毒菜と言われて大騒ぎになったことがある。安全かつ安心な農産物を消費者が入手するには、生産者の顔がみえることが一番である。
しかし、本当の安全・安心を求めるならば、生産者の顔が見えて、かつ、その生産履歴が確かであることが必要である。その場合、生産物を作る基となる「土と水」が清浄なことが確認できれば、さらに安心である。
安価な農作物は中国から輸入できても、その農作物をつくる「土と水」が清浄である保証ない。輸入できる生産物ではなく、輸入できない「土と水」の安全・安心が地域農作物の信頼性と価値を高めるのである。


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