第104話 機能水
甲斐駒ケ岳の渓谷、尾白川に落ちる神蛇滝は実に豪快である。10年前にもなろうか。初夏に訪れた尾白渓谷には、思わず圧倒されてしまった。
また、八ヶ岳の麓、川俣川東沢の龍泉峡に流れる吐竜の滝も印象的であった。スケールこそ富士の白糸の滝に及ばないものの見事な滝である。伏流水が幾筋もの小さな瀑布をかけ、緑の中に清冽さを呼ぶ。小道を少し入っただけで趣のある滝に出会える。
秋には、乾徳山の徳和渓谷にも行ってみた。ここも、小さいながら爽やかな清流に様々な形の滝が落ち、まとまった見ごたえのする渓谷である。渓流沿いにはミズナラが多く、またサワグルミも拾える静かで落ち着いた雰囲気が気に入った。
<水の重要性>
山梨県を始めとして我が国は、実に山岳や渓谷に恵まれており、国土の70%を占める森林は豊かな水を湛え、人々を潤してきた。
しかし、水に豊かな我が国でも美味しい水が手に入りにくくなって、ミネラルウオーターの購入や輸入も増加している。空気や水が安全でただ同然で手に入る保証がない時代になってきている。
<機能水の研究>
さて、水は食料と同様に生命維持には必要不可欠であることから、重要な研究分野であるが、今まではその分析手法がミネラルなどの成分分析や官能検査に限られていた。
近年、核磁気共鳴分光分析が開発された結果、分子レベルでの水の動向が把握できるようになった。水はH2Oという単体では存在できず(H2O)nというクラスター(集合体)を形成しており、水の構造は微弱なエネルギーによって反応する。
この水の構造の寿命は、10のマイナス12乗秒という非常に短い瞬間に変化するものである。このような分析機器の進歩により、水と生体機能の間に密接な関係があることが解明されつつある。
電場を利用した青果物の鮮度保持、磁場における発芽促進や超音波による酒の熟度促進といった事例は、いずれも水の機能によると考えられるが、未だ体系的な研究がなされていない。
今年のノーベル化学賞が細胞膜チャンネルについての「水チャンネルの発見」と「イオンチャンネルの構造と仕組みの解明」であったが、細胞と生体内水や微量要素との関係が明らかになれば、水の機能がもっと解明され、水に新しい機能が付与された機能水として大いに利用されることが期待される。
また、農林水産、食品産業分野における機能水の利用を契機として、他分野でも、この機能を活用した革新的な技術が生まれるものと考えられる。
<いのちを制する水>
水のもつ機能は、医食同源を持ち出すまでもなく、いのちを制するものであるから、今一度認識を深めることが重要である。清流や岩清水は掬った手の中でゆれ、飲めば清冽な感動が体を走り抜ける。
いつまでも失いたくない存在である。
画像:大川(おおこ)の滝 屋久島
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Comments
水は、本当に身近なものであえて気にしていなかったのですが、私もいくつかの機能水を目の当たりにして、本当に驚くことばかりです。
油を乳化するとか、淡水魚と海魚を一緒に泳がしたりなどなどです。
このレポートで、水の寿命は興味がありました。まさに生々流転なのですね。
また、色々のお話を楽しみにしています。
Posted by: 宮脇 豊 | September 08, 2005 at 12:22 AM
ご訪問有り難うございます。
秋には水について、少しまとまったものにしたいと企画しております。また、コメントをお願い致します。ぶどうの被害にあうので、実家でハキビシン対策にサージミヤワキの製品を購入しました。
Posted by: Weeds | September 08, 2005 at 11:24 PM