第65話 土壌微生物の研究
野菜や畑作の産地で連作による産地化で、輪作体系が崩れ、土壌病害菌による連作障害が多発している。農薬や土壌消毒などによっても改善の兆しは見えていない。このため、土壌改良のために微生物を使った資材が多く販売されているが、その効果のほどは確かではない。結果に結びつかないことが多いのは、そもそも土壌にはその環境に適応して生息している微生物が既に存在しているため、有用な微生物を人為的に少量添加しても、増殖するまでに死滅してしまうと考えられる。有用微生物がもつ機能を発現させる手法がいまだに確立していないのである。
この理由の一つには自然界に生息する多様な微生物は培養困難か又は培養不能なものが99%と考えられ、微生物研究において単離・培養できない微生物は研究において無視せざるをえなかったことが挙げられる。近年、培養を介さないで土壌や海水から採取した微生物から直接抽出した核酸(eDNA)をもとに生物相を解析したり、遺伝子情報を取得することが可能になった。eDNAを利用した微生物群を対象にしたゲノム解析(メタゲノム解析)によって、新規の有用な酵素や生理活性物質が発見されることが期待されている。
| Permalink
|


Comments